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ドイツの新聞にウクレレで掲載される高橋重人
2014.06.20
5月の頭に、台湾で映像収録があったのですが
その後すぐに、ドイツ旅行にいきました。
写真はハイライト
ホームステイしたプファッフェンホーヘンという街の
市庁舎のバルコニーにてウクレレ演奏後
市長さんと会談中。
音楽教育にも熱心な街なので今後が楽しみですね。
市長さんもなんと素晴らしい音楽かとウクレレの音色を
気に入ってくれました。
また右の写真はバイエルン地方の郷土料理に舌鼓を打つ高橋氏
実は今回もめずらしい旅で
2月にイタリア旅行をしたとき
帰りの飛行機で隣り合わせたおばさま
話が意気投合して、次は家に泊まりにくるといい。
と申し出てくれたのです。
実は、すでに短い期間でフランクフルト行きのチケットを
取っていたのですが、列車で2時間かけてミュンヘンに滞在する事に
決めました。
今年から3カ年で西洋理解を深めよう。
(もちろん音楽を良くするためにですよ!)
の一環で
昨年末にパリ、2月にローマ、をおとづれたのですが
第3弾がミュンヘン(ドイツの芸術の中心)
そして、この友人の住む プファッフェンホーヘン
となりました。
定番の白鳥城などの見学にもご夫妻が運転する車で
連れていってもらい。
シゲト!バイエルンの料理を食え!
シゲト!バイエルンのビールを飲め!
ほとんど息子のような待遇を受けました。(涙)
ミュンヘンは南ドイツ、バイエルン地方でもともとは
神聖ローマ帝国によりバイエルン公国というのが設けられた。
のですがドイツ革命で王政廃止となるまで
ヴィッテルバッハ家という王家が支配し。
このルートヴィヒ2世が有名な白鳥城を建てて
その中でよなよなワーグナーのオペラを上演したそうです。
王が無茶して財政は破綻寸前までいったとか。
どうやらドイツ人というのは旅行(バカンス)に命をかける
民族のようで、仕事が終わるとさっさと帰って余暇を楽しむ。
個人の時間を非常に大切にするようです。
よって、飛行機内で友達になった僕の事も
僕の時間も大切にしてくれて、車でコンサートに送ってくれたり
宿は高くて窮屈だから立派な家に泊めてくれたのでした。
朝ご飯はお宅でごちそうになりますが
スクランブルエッグ、土地の黒いパンにバターを塗って
コーヒーで食べました。
その後、くつろいでいると
そのティナおばさんが
「シゲト、キッチュってわかる?」
と聞いてくるではありませんか。
(彼女の発音は キッチ に聞こえました)
「キッチュは日本でも使われるけど
詳しい意味はわかりませn」
と素直に答えると。
おばさんは太陽電池で動く葉っぱのおもちゃをさして
「これはキッチュ」
お城のお土産屋でもマグカップにバイエルンのワッペンがプリント
されたもの、くだらない写真やおかしなものをさして
「これもキッチュ」
伝統的なビアグラスは
「キッチュじゃない、トラディション」
そして、
「あなたの音楽はキッチュじゃない」
と言うのです。
僕が日本やアジアのウクレレや流行音楽を見ていて
ごく一部、言葉にならない違和感を感じることが
あったのですが、
この「キッチュ」という概念が1つ大きな理解を与えてくれました。
ただ、キッチュ自体は悪いものではなく
工業化社会において生産性が高まる中
芸術のテイストを生活に簡単に取り入れたい
という人々の心から自然に発生する現象です。
それゆえ否定するものではないのですが
僕の演奏する音楽からはキッチュ色が主体とならないように
表面的にはいくぶん取り入れたとしても、根本は
伝統的な音楽の上に新しいなにかを構築しようとする
その試みを続けていこうと思います!